就職活動の現状と証明写真(2017年卒版)

景況感の改善と積極的採用企業の増加傾向

2016年新卒市場においては、一部では「売り手市場」とも言われるほど、この20年を見ても稀に見る新卒生に有利な状況が続きました。しかし、企業側の採用に求めるポテンシャル・スキルは高く、誰もが有利な条件で採用内定を得られるという状況ではないのは確かです。また、こうした状況のなかで、就活生もできるだけ好条件で自分の志望に合った企業から採用内定を得るために、1社から内定を得ても引き続き就職活動を続ける学生も多くなっています。これに反して、企業側は内定を出したら就職活動を終えるように迫る「オワハラ」という言葉もブームになりました。
総じて、言えることは、売り手市場には間違いないけれども、この状況がいつまで続くかわからない、また企業の求める人物スキル水準は依然高いものであるということです。

更には、インターンシップによる囲い込み採用も多くの企業で行なわれるようになりました。これは新卒就職後の3年以内の離職率が約3割という状況を考えると当然の帰結かもしれませんが、就活生にとっては「1年中就職活動」になっている状況にあります。経団連の指針により2016年は3月より企業側の採用活動解禁という形で従来に比べて後ろ倒しになったわけですが、これも見直しを行なうことが発表されています。

さて現在はインターネットが普及し、インターネットによるエントリーが主流なっていますが、ほとんどの企業の選考過程では、証明写真付きの履歴書を提出するという段階が必須です。そうしたなかでも履歴書で唯一の「顔」となるのは証明写真です。

では、就職活動における証明写真の役割とは何でしょうか?
大きく分けて、以下の2点に集約されます。

(1)本人かどうかを面接時に識別するため
(2)面接前は、その人の持つ印象や身だしなみを参考にする、面接時には、その人の印象と実際を比較する基準とする

詳しく考えて見ましょう。
(1)については、証明写真の本来の役割である、本人識別です。
その人物を写真から判断し、他人のなりすましではないことを見分けるという役割です。これは、就職活動にかかわらずどの証明写真にも共通する大きな特徴です。
(2)は、特に新卒、第二新卒の就職活動では重要になってきます。
新卒、第二新卒のポテンシャル(能力面だけでなく人柄も選考基準)を見込んで採用活動を行っていることも多いのです。身なりはきちんとしているか、清潔感があるかという点は採用担当者もぱっと見ています。このような点では、お見合い写真と共通しています。

人の第一印象の50%強は、視覚(見た目の雰囲気)で判断されてしまうという研究成果もあります。

2017年新卒採用の動向・留意点

2017年卒の就活は、前年と同様にインターンシップでの「青田買い」傾向が強まっていたり、就活解禁前には既に内々定を出している企業もあるので要注意です。
事実、経団連の指針である3月には既に内々定をだしている企業もあります。これは、経団連「指針」であって、罰則規定があるものではないのです。

ですので、早め早めの行動が、功を奏します。遅れてはなりません。

特に、経済情勢を踏まえ採用人数を拡大する企業が増えています。景気の好転を予想して採用意欲が高まった企業も増えていますが、3年生は注意が必要です。
景気動向に対する情報が諸官庁より発表されていますが、採用市場は景況感からすこし遅れ気味で結果が現れてきます。
例年、就活用の証明写真撮影は年末から始まって年明けにおこなわれますが、企業のエントリー開始前にはほとんどの人が撮影を終えているのが現状です。撮影時に追加プリントをしてもらいますが、昨今の就職活動では50枚以上の証明写真を必要とする人も珍しくはありません。

好不況も関係のない就職戦線

特に、景気の良い会社でも、志望者が殺到することは好不況にかかわらず変わりありません。また、採用側も「できるだけ良い人材を採りたい」と、まずは志望者の「数」を集める傾向もあります。
「売り手市場」という言葉も囁かれますが、応募者本人が就業の意思があったとしても、最終的な採否を決めるのは採用側です。
それゆえに、学生側がエントリーしなければならない数も必然的に増加しているものと思われます。インターネット上でのエントリーだけで完結してしまう場合は、応募側も書類作成の手間が省ける一方で、データ上でふるいにかけるという作業を企業側も効率化したい、という思惑があることも否めないでしょう。
2017年新卒予定者においても、学生側は早めに動いています。
いずれにしても、2016年新卒採用市場自体は、業界・業種全体をみましても、前年と比しても上向き基調でありましたが、採用スケジュールの前倒しなども考慮して、万全の準備が必要です。

写真屋のネットプリントとコンビニプリントの違い

証明写真の焼き増しは1枚あたりの価格が高い場合が多く、また就職活動では交通費だけでもばかにはなりません。
コンビニプリントも普及していますが、思うように仕上がらなかったりする場合もあり、個人で家庭用インクジェットプリンタで出力しても、やはりプロが作成した証明写真よりは劣りがちです。
コンビニでもプリントできるサービスがありますが「L判」でのプリントということを忘れてはいけません。L判出力ということは、1枚1枚を自分で切らなければならないということです。
安いは安いなりの理由があるのです。
就活を始めてみればわかりますが、エントリーや履歴書提出は、思ったより枚数が多いもの。
もちろん、WEBエントリー用のサイズの小さなデータの場合は、プロでも画質は落ちてしまうことは注意すべきでしょう。
証明写真は他の写真と比べても独特です。証明写真を扱っている写真屋さんのプリントはプロ用機材で作られているため、割高のように感じますが、見えないところで手間がかかっているのです。

就職するための証明写真か、証明写真のための就職か
「餅は餅屋」という諺があります。

よくネット上では、安く証明写真を自作する紹介ページがありますが、それでも思う以上にコストもかかってくることを忘れてはいけません。
本来は志望する企業に就職するという目標があるはず。自分で作ってみれば判りましたが、安さ以上の時間を費やして写真作成に手間暇をかける時間があれば、就職活動の対策に時間を割いたほうが経済的です。

自分で作った場合は、プリント後にカットをしなければなりません。カット面が歪んだり、作成に時間がかかってしまう場合が多く、結果的にコストを要してしまうためあまりオススメはできません。本末転倒にもなりかねません。

高画質で格安の上質な証明写真の作り方
ここでは証明写真を格安で上質の焼き増しする方法についてまとめています。

どうやって証明写真を焼き増ししたらいいの?