就職活動の現状と証明写真(2020年卒版)

2019年新卒市場においては、昨年に引き続き、全般的に「売手市場」の様相でした。
経団連ルールどおりではなく、3月時点で内々定という企業も、大手企業も含めて存在しました。
ただし、その全体に占める割合は、必ずしも多くはありません。

好機は突然やってくる就活。総合商社、観光業界、食品メーカーなど人気業界は激戦。証明写真も早めの準備が必要。

筆者が、何度も目にしているのは、「就職活動中に好機は突然訪れる」ということです。
もちろん、継続して就職活動を頑張っている方に対してです。

そこでよくある失敗談のパターンがあります。
(1)翌日に志望動機や自己PRなどを提出しなければならず、焦ってしまった。
(2)これまで、証明写真が必要がなかったのに、急に出せといわれた。
(3)明日面接に来てほしいといわれたものの、スーツがよれていた

1は、学歴や氏名などでエントリー応募はしているものの、特に志望動機や自己PRなどを詳しく書く必要のなかったエントリー企業でよくあるパターンです。
志望動機がはっきりしていても、それを言葉にまとめるということは、必ず事前にしておく必要があります。
頭のなかでまとめられていることは、かならず、書いてみることをお勧めします。
書いてまとめられないことは、いざ面接にいったときに、話すことは難しい場合がほとんどです。
うまくまとめられない場合は、思いついたことを箇条書きにして、整理をすることからはじめるとよいと思います。
ただし、大きな誇張や嘘を書くのは厳禁です。

2もよくあります。明日必要なので、今日写真がほしいんです、といって写真スタジオを訪れる人も多いのです。
大切な応募企業、特に志望している会社であれば、駅前にあるボックス型の証明写真では心配という人がほとんどです。
ですが、写真スタジオにもいろいろあります。当日に渡すことのできるスタジオもありますが、料金はそこそこなのにインスタント写真の出来栄えの写真館もなかにはあります。
首都圏で人気の就活の専門スタジオで、リクルートフォトスタジオという写真スタジオが、修整もとてもナチュラルでプリントの質もよくおすすめです。
東京よりの神奈川にあるスタジオ(新宿から20分ほど)ですが、総合商社や、航空業界、食品メーカーなどの大手にも内定率が高いということで、毎年、東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬・山梨をはじめ、セミナーで上京した地方の就活生もやってくるそうです。

3は、スーツや革靴は必ず2セット以上は用意しておいて、1つが汚れたり皺になったら、すぐにクリーニングに出すことをお勧めしています。
購入時にお金はかかりますが、スーツや革靴は、就職後も必要なものですので、必ず多めに用意しておくと良いでしょう。

採用担当者は、書類選考時に、まず何を見るのか

筆者も採用担当をしていたこともあるので、実務的によく知っています。
多くの場合、ズバリ証明写真です。
そして、ほとんどの場合、証明写真はちらっとしか見ません。但し、何度も、ちらっと見ます。
何度も見るということは、頻度が多ければ多いほど、その写真から得られる視覚情報(イメージ)が、採用側の脳裏に焼きついてゆくことになります。

昨今は、Webでのエントリーでも多いのですが、エントリーを管理するシステムでもデータで写真が確認できます。
システムによっても違いますが、多くの場合は画面の上段、さらに上段左側の場合が多いです。
日本人の視線は、通常、左から右、上から下へ移動していきますので、左側の上段に位置していれば、文章よりも先に写真が目に入り、採用側が意識しなくてもその人のイメージを捉えてしまうのは、皆様も想像できることだと思います。
また、履歴書なども、左上に写真貼付欄がありますが、履歴書を読むときは、やっぱり一番先に見る位置に、証明写真があるわけです。
そして、内容を読みながら、また写真を見なおしたり、ということが繰り返されるわけです。

この記事を読んでいる方は、就活生の方かそのご両親かもしれませんが、もし、あなたが企業の採用担当者だとします。
500名の応募があり、選考で絞った20名の中から、10名を選らばなければなりません。
人事の方がその写真を見ていることもありますが、それ以外の人が見ることもあります。履歴書に写真が貼っていれば、「この人は、こんな感じの人かな?」という印象を参考できますよね?
面接をするまえに、採用側は証明写真によって、その学生さんの第一印象を得ているわけです。
人の第一印象の50%強は、視覚(見た目の雰囲気)で判断されてしまうという研究成果もあります。

前述のリクルートフォトスタジオさんは、そういった他者から映るイメージというものを考えて撮影されているそうですが、証明写真について疑問があれば、撮影時に尋ねてみるのも良いかもしれません。
地方のお客様でも、写真プリントの焼き増しが必要な場合でも、スマホで簡単に注文できるシステムも整っているそうです。

就活における証明写真の重要性

では、就職活動における証明写真の役割とは何でしょうか?
大きく分けて、以下の2点に集約されます。

(1)本人かどうかを面接時に識別するため
(2)面接前は、その人の持つ印象や身だしなみを参考にする、面接時には、その人の印象と実際を比較する基準とする

詳しく考えて見ましょう。
(1)については、証明写真の本来の役割である、本人識別です。
その人物を写真から判断し、他人のなりすましではないことを見分けるという役割です。これは、就職活動にかかわらずどの証明写真にも共通する大きな特徴です。
(2)は、特に新卒、第二新卒の就職活動では重要になってきます。
新卒、第二新卒のポテンシャル(能力面だけでなく人柄も選考基準)を見込んで採用活動を行っていることも多いのです。身なりはきちんとしているか、清潔感があるかという点は採用担当者もぱっと見ています。このような点では、お見合い写真と共通しています。
また、実際に会っていなくても、印象を参考にする方も多いのです。
もし、これを読んでいるあなたが中小企業の採用担当者だとしましょう。3名の応募がありました。履歴書に写真が貼っていれば、「この人は、こんな感じの人かな?」という印象を参考できますよね?
貼っていなければ、文字だけで、ちょっと歯がゆい感じがすると思います。

人の第一印象の50%強は、視覚(見た目の雰囲気)で判断されてしまうという研究成果もあります。

2020年新卒採用の動向・留意点

2020年卒の就活は、インターンシップが普及しているものの、企業によって大きく異なりますが、エントリー時期に遅れないようにすることが一番です。
皆さんが、一様にどの時期も「不安」でいっぱいですが、内々定が出るまでは、皆不安です。
他の人が内定を獲得したということにより、「人よりも遅れている」という焦燥感にかられる場合もありますが、人は人だと割り切る潔さも必要です。
就職後に、3年以内に辞めて転職活動に入る方もいますので、早い内定というよりは、ご自身の志望にできるだけ合う企業をじっくり探すということが大切です。
そのために、自分はどうしたいか、何がしたいのか、という自己分析が必要になるわけです。
自分は何がしたいのか、というのがわからない方も多いと知っていますが、そういう方は、いろんな企業の説明会に出て、できるだけ多くの人とお話をしてください。
そして、その企業の人から、いろんなお話を聞き、自分に対して投げかけられた言葉を、自己分析に生かすのも一つの手だと思います。

いずれにしても、早め早めの行動が一番です。