転職の証明写真
転職の証明写真は、新卒の延長で撮らない。
転職の写真で伝えるのは、若さや元気さではなく「この人に仕事を任せられそうだ」という印象です。そのために撮影の現場で何を変えているのかを、撮る前・撮るとき・撮ったあとの順に説明します。
このページの要点
- 転職の写真で見られるのは「年齢相応の落ち着き」と「一緒に働く姿が想像できるか」。若く見せることではありません。
- 差が出るのは、光の組み方・あごと肩の位置・レタッチの止めどころの3つです。
- 写真は紙でも画面でも数センチで見られます。小さくして成立するかどうかが基準です。
- 応募は数か月続きます。最初にデータをもらっておくと、あとは焼き増しだけで済みます。
新卒の写真と、何が違うのか
新卒の採用では、職歴がない分、写真には「清潔で、素直そうで、元気がある」ことが写っていれば足ります。撮る側も、明るく、均一に、若々しく仕上げます。
転職は違います。書類には職歴が並び、その横に写真が貼られます。読む人は職歴と写真を見比べて、「この経歴の人が、この顔で、うちの職場に来る」姿を想像します。ここで写真が新卒と同じ調子だと、経歴に対して頼りなく見えます。反対に、暗く硬い写真だと「扱いにくそうだ」と受け取られます。
| 新卒の就活 | 転職 | |
|---|---|---|
| 伝えたい印象 | 清潔感、素直さ、明るさ | 落ち着き、信頼感、年齢相応の説得力 |
| 光 | 正面から明るく、影を出さない | 顔の立体感を残しつつ、目の下・口元の影だけを起こす |
| 表情 | はっきりした笑顔でもよい | 口角を少し上げ、目に力を入れる。歯は見せない |
| レタッチ | 肌荒れを整える程度 | 疲れて見える要素を引き、年齢の特徴は残す |
| 使う期間 | 数か月(選考の時期に集中) | 在職しながら数か月〜。途中で応募先が増える |
| 使う場所 | エントリーシート、履歴書 | 履歴書、転職サイト、エージェントへの登録 |
採用側は、写真の何を見ているか
写真だけで合否が決まることはまずありません。ただ、写真は書類の中でいちばん先に目に入り、文章を読む前の「構え」を作ります。撮影の現場で意識しているのは、次の3点です。
1. 書類をきちんと準備する人か
写真の端が曲がっている、背景に影が落ちている、顔が小さすぎる、色が青白い。こうした写真は内容より先に「雑さ」として伝わります。写真の出来そのものより、準備にどれだけ手をかけたかが見られています。
2. 会ったときに、同じ人が来るか
面接で顔を合わせたとき、写真と印象が大きく違うと、小さな不信感が残ります。修整しすぎた写真が嫌われるのはこのためです。転職の写真は「実物のいちばん良い日」を目指します。
3. 職場にいる姿が想像できるか
営業なら人前に出せるか、管理職なら部下の前に立てるか。表情・姿勢・服の整い方から、無意識に読まれます。ここは表情と姿勢でかなり変えられます。
撮影の現場で変えていること(1)光
証明写真の写りを決めるのは、カメラより光です。証明写真機は正面から固定の光を当てます。影が出にくいかわりに、顔が平たく写り、目の下のくぼみやほうれい線は正面の光でも消えません。
リクルートフォトスタジオの撮影は、クラムシェルライティングという光の組み方です。顔の正面で、上からの光と下からの光を、貝がら(クラムシェル)を開いたように向かい合わせ、そのあいだからカメラで撮ります。上の光が額・頬・鼻筋の形を出し、下の光が目の下、鼻の下、あごの下の影を起こします。光が左右どちらにも偏らないので、顔の左右の差も強調されません。
影を全部消すと顔がのっぺりし、残しすぎると疲れて見えます。上と下の光の強さの比を人に合わせて変える、この影の濃さの加減が、転職の写真でいちばん手を入れるところです。年代ごとの考え方は30代・40代・50代の撮り方に書きました。
撮影の現場から
眼鏡のレンズに光が映り込むのも、光の位置で決まります。上の光を少し高くするか、眼鏡のつるを耳から数ミリ浮かせてレンズを下に向けると、目が見えるようになります。眼鏡を外して撮る必要はありません。ふだん掛けているなら、掛けたまま撮るのが正解です。
撮影の現場で変えていること(2)あご・首・肩
鏡の前で「良い姿勢」をとると、多くの人はあごを引きすぎ、首が縮みます。写真では二重あごになり、目が上目づかいになります。スタジオでは、背すじを伸ばしたまま顔だけを少し前に出し、あごをわずかに下げるようにお願いします。横から見ると不自然ですが、正面から撮ると、あごの線がはっきりし、首が長く写ります。
肩は、ほとんどの人が左右どちらかに下がっています。かばんを掛ける側、利き手の側です。自分では気づけないので、撮る側が一人ずつ直します。くわしくは表情・姿勢・左右の差へ。
撮影の現場で変えていること(3)服と背景
服は「何を着るか」より「背景との組み合わせ」と「小さくしたときにどう見えるか」で選びます。紺のスーツに濃い青の背景は肩の線が背景に沈み、白い背景に白いシャツはえりが飛びます。細かい柄は、小さく刷るとちらつきになります。服の色と背景色の組み合わせにまとめました。
撮ったあと:レタッチとデータ
レタッチで消すのは、その日たまたまあるもの(吹き出物、そり残し、はねた髪、服のしわ、てかり)です。ほくろや骨格、目の大きさといったその人の特徴は残します。線引きはレタッチはどこまで許されるかで説明しています。
転職では、転職サイトやエージェントの登録にデータを使います。ここで画質を落としてしまう人が多いので、Web応募の写真データも確認してください。
段取り:いつ撮り、何枚用意するか
- 応募を始める2〜3週間前に撮る髪を切るなら撮影の3〜7日前に。切った直後は毛先がなじまず、えり足や前髪の線が硬く写ります。
- データを必ず受け取る紙の写真だけだと、足りなくなるたびに撮り直しになります。転職サイトの登録にも使えません。
- 紙は6枚前後から紙で出す会社の数に、予備を2〜3枚。足りなくなったらデータから焼き増しします。
- 3か月たったら見直す髪型・眼鏡・体型が変わったら撮り直します。変わっていなければ、同じデータを焼き増しして使えます。
足りなくなった分は、データから焼き増しできます。写真館で撮った写真のデータを使うときは、利用の条件をその写真館にご確認ください。
すでに撮った写真に、納得できていない方へ
証明写真機や、近所の写真店で撮ってはみたものの、「顔が疲れて見える」「実物より老けている」「なんとなく違う」と感じている。転職の撮影には、そうした方が多くいらっしゃいます。原因のほとんどは顔ではなく、光と姿勢と撮る距離です。撮り直せば変わるのか、どこが変わるのかを証明写真を撮り直したい方へにまとめました。
よくある質問
クラムシェルライティングとは何ですか?
顔の正面に、上からの光と下からの光(またはレフ板)を向かい合わせに置き、そのあいだから撮る照明の組み方です。貝がらを開いた形に似ていることから、この名前があります。目の下・鼻の下・あごの下の影がやわらぎ、瞳の上下に光が入り、左右どちらにも影が偏りません。リクルートフォトスタジオは、この組み方で撮影しています。
転職の履歴書に、就活のときの写真を使ってもよいですか?
使わないでください。履歴書の写真は撮影から3か月以内が目安です。髪型や体型、眼鏡が変わっていると、面接で顔を合わせたときに違和感を持たれます。数年前の写真は、それだけで「準備が雑」という印象になります。
転職の証明写真は、笑顔のほうがよいですか?
歯を見せない、口角が少し上がった表情が基本です。新卒のような大きな笑顔は、職種によっては軽く見えます。営業・接客は少し明るめ、管理職・専門職は落ち着きを優先、と応募先に合わせて決めます。
在職中で平日に時間がありません。いつ撮ればよいですか?
応募を始める2〜3週間前の休日に撮っておくのが安全です。データを受け取っておけば、応募先が増えても撮り直さずに、必要な枚数だけ焼き増しできます。
転職では写真は何枚必要ですか?
紙で出す会社の数に、予備を2〜3枚足した数が目安です。Web応募が中心なら、紙は6枚ほどあれば足り、足りなくなったらデータから焼き増しします。面接に履歴書を持参するよう言われることがあるので、0枚にはしないでください。
スーツを着ない業界です。写真もスーツでなくてよいですか?
応募先から指定がなければ、ジャケットを着た写真をおすすめします。写真は 縦4×横3cm と小さく、えりのある上着があるほうが、顔の下が引き締まって見えるためです。ネクタイの有無は業界に合わせて構いません。
リクルートフォトスタジオの転職用プランには何が含まれますか?
2026年10月時点の内容は、撮影とレタッチ、履歴書サイズ(縦4×横3cm)のプリント6枚、顔写真データ、左右の差を補正したデータと元のデータの2種類、背景3色、Web応募用データで、13,530円(税込)です。最新の内容はプランのページでご確認ください。