転職の証明写真|服装と背景
服は「何を着るか」より、背景との組み合わせで決まります。
証明写真の服装は、マナーの話として語られがちです。撮る側・刷る側から見ると、問題は別のところにあります。背景と服の明るさの差、そして 縦4×横3cm にしたときに残るものと消えるものです。
このページの要点
- 服と背景の明るさが近いと、肩の線が背景に沈みます。濃い服には明るい背景を。
- 細かい柄は、小さく刷るとちらつき(モアレ)になります。無地が安全です。
- 写るのは胸から上。色より、えり・結び目・肩の合い方が写真に出ます。
スーツの色と背景色の組み合わせ
証明写真で人の輪郭を作っているのは、髪・肩と背景の明るさの差です。差が小さいと、輪郭がぼやけ、顔だけが浮いたように見えます。
| 服の色 | 白の背景 | 薄い青の背景 | グレーの背景 |
|---|---|---|---|
| 黒・濃紺 | 輪郭がくっきり。明暗の差が強く、きりっとした印象 | 輪郭が出て、色のまとまりもよい | 落ち着く。濃いグレーだと肩が沈むので、明るめのグレーで |
| チャコールグレー | くっきり | よく合う | 同系色で沈みやすい |
| 明るいグレー・ベージュ | 肩が背景に溶けやすい | 輪郭が出る | 濃いめのグレーなら輪郭が出る |
| 白いブラウス・シャツのみ | えりと肩が飛びやすい | 輪郭が出る | 輪郭が出る |
髪も同じです。黒髪は白い背景でくっきりし、白髪や明るい色の髪は白い背景で輪郭が溶けます。
撮影の現場から
背景の色は、背景紙の色だけでは決まりません。背景に当てる光の量で、同じ紙が白にも薄いグレーにも写ります。証明写真機や自宅の壁で「背景に影が落ちる」のは、人と背景が近く、背景だけを照らす光がないためです。スタジオでは人を背景から離し、背景を別の光で照らしています。
背景色が与える印象
- 白:明るく清潔。顔色がよく見えます。公的な書類にも合うので、使い回しがききます。
- 薄い青:さわやかで誠実。肌の色(黄〜赤)と反対の色なので、顔色がきれいに見えます。就活・転職でいちばん使われます。
- グレー:落ち着きと信頼感。管理職、専門職、金融などの応募に向きます。
色のついた背景をあとから別の色に変える加工は、髪の毛先の処理が難しく、雑に行うと輪郭が切り絵のようになります。撮るときに決めておくか、複数の背景色でデータをもらっておくのが確実です。
小さくすると消える柄、ちらつく柄
履歴書の写真は 縦4×横3cm です。そこに写る上着の幅は、2cmほどしかありません。その中に細いストライプが何十本も入ると、プリントの細かさを超えてしまい、本来ない縞や波の模様(モアレ)が現れます。Web応募で画像が縮小されるときも同じです。
写真に向く
- 無地
- 遠目に無地に見える織り柄
- 太めで間隔の広いストライプ
- つやの少ない生地
気をつける
- 細かいピンストライプ、千鳥格子
- 細かいチェックのシャツ
- 光沢の強い生地(光を拾ってまだらに写る)
- 細かい柄のネクタイ
写真に出るのは、えり・結び目・肩
シャツのえり
首まわりが大きいと、えりが首から離れて浮きます。小さいと、首の肉がえりに乗ります。どちらも小さな写真ではっきり分かります。指が1本入るくらいが目安です。
ネクタイの結び目
結び目は、あごの真下、えりの合わせ目にぴったり付ける。結び目のすぐ下にくぼみ(ディンプル)を1つ作ると、立体が出ます。ゆるんでシャツのボタンが見えていると、写真全体がだらしなく見えます。
上着の肩とえり
座ると、上着は上にずり上がり、えりが首から浮きます。撮る直前に、すそを下に引いてください。肩幅が合っていない上着は、肩の先が落ちて見えます。
女性のインナー
胸もとの開きが深いと、写真の下の端で肌の面積が大きくなり、視線が顔から外れます。えりつきのブラウスか、首もとが詰まったカットソーが収まりよく写ります。白一色より、ごく薄い色のほうが白とびしにくいです。
業界・職種による考え方
| 応募先 | 服 | 背景 | 表情 |
|---|---|---|---|
| 金融・官公庁・士業 | 濃紺かチャコールの無地、白シャツ | 白かグレー | 口角をわずかに上げる程度 |
| メーカー・商社・営業職 | 濃紺。ネクタイに少し色を | 薄い青か白 | やや明るく |
| IT・Web・クリエイティブ | ジャケット。ネクタイなしも可 | グレーか白 | 自然に |
| 医療・介護・教育 | 明るめの色のインナーで柔らかく | 薄い青か白 | やさしく、明るく |
| 管理職・役員候補 | 体に合った仕立てのよい上着 | グレー | 落ち着き。目に力を |
これは目安です。応募先から指定があるときは、指定に従ってください。
よくある質問
証明写真の背景は、白・青・グレーのどれがよいですか?
応募先の指定がなければ、どれでも構いません。白は清潔で明るく、青はさわやかで誠実、グレーは落ち着いた印象になります。濃い色のスーツなら薄い青か白、白髪のある方や白いブラウスの方はグレーか青が輪郭がはっきりします。リクルートフォトスタジオでは背景3色のデータをお渡ししているので、応募先によって使い分けられます。
ストライプのスーツやシャツはだめですか?
だめではありませんが、細かいストライプや千鳥格子は、小さく刷ったり画面で縮小されたりすると、ちらつき(モアレ)になることがあります。無地か、遠目に無地に見える織りの生地が安全です。
ネクタイは何色がよいですか?
紺・えんじ・グレーなど、落ち着いた色で、小さな柄か無地が無難です。写真では結び目とその下の数センチしか写らないので、色よりも、結び目がえりの中心にあり、ゆるんでいないことのほうが大事です。
私服で働く業界です。スーツで撮らないといけませんか?
指定がなければ、ジャケットを着ることをおすすめします。えりのある上着は、小さな写真の中で顔の下を引き締める役目をします。ネクタイは業界に合わせて外して構いません。
白いシャツが白く飛んでしまうことはありますか?
あります。白い背景に白いシャツ、明るすぎる露出が重なると、えりの形が消えます。撮影では露出と光の向きで生地の織り目が残るようにします。自分で撮るときは、少し暗めに撮って確かめてください。